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ディーズデイズ [その他]

 わけあって、ここ数カ月は一人暮らしをしています。といっても、学生時代のように自堕落な生活を満喫しているわけではなく、夜型を返上して早寝早起きの規則正しい生活を続けています。           

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 それじゃ「らしくない」と思ったわけではありませんが、ある日の仕事帰り、ふと思い立ってそのまま深夜ドライブへ出かけることにしました。

 一度とことん自分を追い込んでみたいと思い、実際に自らを叱咤激励しなければならないほどの状況に身を置いて何年経ったでしょうか。不惑なのにまだまだ迷ってばかりですが、ギリギリの状況をしのいでいく中でようやく自分の考えが間違っていないという手応えをつかみ始めています。無理を重ねた分、自分の中に封じ込めていたいろんな感情がたまったので、そろそろ捨てに行くことにします。

 行き先は決めません。ひたすらさまよい人になります。

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 寒くなってきたせいか、首都高から望む東京の夜景はいつもより華やいで見えます。

 見ている側の心境のせいかもしれません。孤独だった学生時代。傍観者でいてはいけないと思い、周回遅れでようやく社会に飛び込んだ新入社員時代。独身生活に別れを告げた時、そして今日。この街は人生の節目ごとに全く違った顔を見せてきました。今日のように祝福されていると感じるときもあれば、逆に冷酷非情な一面をのぞかせることもありますが、ここを離れようと一度として思わなかった理由はそこら辺りの天の邪鬼さにあるのかもしれません。

 役所にオフィスビル、観光地と、主立った場所はほぼ全て訪れたはずなのに、全く極めた気がしない。今まで目にしたどの都市とも異質で、飽きっぽくて退屈が嫌いな自分にとっては理想的な街です。

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THE BEATLES 「I Am the Walrus」
GENESIS 「The Brazilian」
LOVE PSYCHEDELICO 「These days」
Metallica 「Low Man’s Lyrics」

 必ずしも曲調と一致しませんが、せき止めていた感情の処理に困ったときや、エネルギーを使い切って心がカラカラに乾いたときは、これらの曲を好んで聴いてきました。
      
 湾岸線を経て東名高速に入り、とあるパーキングエリアで一服。ぼんやり夜空を見ていると、どこからか、ずだ袋のようなミリタリーバッグを背負い、ベースボールキャップを目深に被った、ジーンズ姿の痩せた若者が近づいてきました。

 「古い車だね」

 ため口をきかれても不快に思わなかったのは、その目が好奇心に満ちていたからかもしれません。

 「乗る?」

 いきなりキーを渡された若者は、「ペーパードライバーなんだけど…」としばらく躊躇した後、意を決したように無言で車へ乗り込みました。

 東名から小田原厚木道路に進み、箱根方面へ。運転に慣れるにつれて、彼は饒舌になっていきました。大学に面白さを見いだせなくて通うのをやめてしまったこと、何かが変わると思って衝動的に旅に出たこと、とりあえずヒッチハイクを始めたものの、今日の自分と同じで目的地を決めていないこと…。若者にありがちな話はけして退屈ではなく、むしろ新鮮で、気がつけばいろんな話題について語り合い、こちらもいろんなことを打ち明けていました。誰にも話してこなかったことを含めて。

 「そっか、きっとかわいい男の子だろうな。会えないとつらいね」

 「あとしばらくの辛抱だから。でも歳食って授かったせいもあるのかな、やっぱり親ばかになるんだねえ。毎日思ってるよ。そばにいたら抱きしめてあげるのにって」

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 御殿場を経由し、富士山を望む湖に着いたあたりで夜が明けてきました。湖畔ではすでに数人のキャンパーが目を覚まし、気嵐に包まれた幻想的な湖に見入っていました。

 「たまった感情を捨てるにはうってつけの場所だな」

 「新しい命の誕生を祝う場所としても、ね」

 「うん。そしてまた新しい朝が始まるんだ」
 
 ゴミ袋を放り投げるようなしぐさをして振り返ると、若者の姿はいつの間にか消えていました。周りのキャンパー達は景色に夢中で、誰一人としてそれを不思議がっていない様子でした。もしかすると、感傷に浸りたい気持ちが20年前の自分を一時的に蘇らせたのかもしれません。


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再開 [その他]

 ひと月近く経ったんですね。 

 通信の混雑が緩和されたらなるだけ早くブログアップして、亡くなられた方々にお悔やみの言葉をお伝えしたいと思っていたのですが、ずるずるとここまできてしまいました。

 あまりに理不尽でむごい自然の仕打ちに呆然とし、なかなか書く気が起こらなかったのが本音です。多少なりとも仕事に影響があり、少しでも肉体的・精神的なリソースを仕事に振り向けたかったという事情もありますし、何より混乱が続く中でアップしても邪魔になるだけとの思いが優先しておりました。

 遅ればせながら、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、大切な人を亡くされた方、不自由な生活を余儀なくされていらっしゃる方、経済的損失をこうむった方には、ぜひとも心を強く持ち、悲しみや苦しみを克服していただきたいと陰ながら願っております。

 残念ながら未曾有の被害をもたらした今回の震災ですが、一方で私にとって今回ほど日本人であることを強く意識し、それを誇りに感じた出来事はありません。

 中国人研修生を安全に非難させた後、行方不明になった水産加工会社の経営者。自宅に取り残された妻を救い出すため、スキューバダイビングの装備を身につけ、ガレキだらけの暗闇を泳いで駆けつけた夫。津波に呑まれる直前まで防災無線で冷静に避難を呼びかけ続けた南三陸町の女性職員。そして苦しい境遇に置かれながらも自らを律し、団結する被災者たち…。

 今はこうした人々のいる国に生きてきて良かったとつくづく感じています。日本人が度重なる天災を教訓としながら美徳として身に着けた考え方や生き方は、けして間違っていなかったのだと思います。

 ただ、原発の事故はいまだ収束していませんし、これから予想もしなかったさまざまな問題が噴出することになるでしょう。困難に直面し、私たちの真価が問われる場面は多々あるはずです。

 そうした困難を乗り越えるためにも、あえてこのタイミングで残念な出来事に触れ、問題提起したいと思います。

 今回の震災における日本人の冷静な振る舞いは、海外メディアにも大いに賞賛されているところですが、残念な出来事が全くないわけではありません。

 被災地での盗難、義捐金詐欺、生活必需品の買占め、「天罰」発言。特に盗難や詐欺は悪魔の所業としかいいようがないほど卑劣で許しがたく、ニュースを見るたびに怒りがこみ上げてきます。

 そうした残念な出来事の中で、ひとつだけ、当ブログで触れておきたいことがあります。東京電力や政府に向けて根拠に乏しい批判を浴びせることについてです。

 ネットを見ていると、中には無責任で感情任せとしかいいようがない、脅迫的な言辞を弄する人さえいます。「2ちゃんねる」は見ない主義なので詳しくは分かりませんが、一般のブログでもそうした書き込みが散見されます。

 批判は大いに結構。でも少なくとも現時点では、誰が悪いと断定するに足るだけの情報はいまだに出揃ってはいないのではないでしょうか。やり場のない怒りを何とかしたい気持ちは理解できますが、それと彼らにぶつけることとは別です。

 福島第一原発の現場では、一日でも早く事故を収束させようと、多くの作業員が気力と体力の限界に挑戦し、内外から賞賛されています。私も彼らの命がけの行動に感服している一人です。

 けれども戦っているのは何も彼らだけではなく、経営者を含めた現場以外の東電社員や政府関係者も同様ではないでしょうか。そこで線引きして、単純に善玉と悪玉とに色分けすることにも疑問を感じます。

 東電や政府が悪くないと言い切るつもりはありません。詳しい検証が行われ、責任の所在が明らかになるのはあくまでこれからであって、誰が悪いと決めつけるのは早計だと言いたいのです。責任の所在が曖昧だったかどうかを含めて。

 ましてや、脅迫的な言葉を書き連ねる行為には全く同意できません。

 私自身はわずかな義捐金を提供することぐらいしかできない、ちっぽけな存在にすぎず、どれほど復興の役に立てるのかは分かりません。けれども自分なりに現実を直視し、被災者や周囲の人たちと艱難辛苦を分かち合っていきたいと思っています。

 そして、それが正しいか否かはさておき、何が正しく、何が間違っているかを考える姿勢は持ち続けていたいと思っています。結論が違っていてもかまいませんので、私と同様、少しでも考えていただければ幸いです。

 今回ブログを再開するにあたっても、やめるという選択肢を含め、どうすべきかいろいろ考えました。その結果として、次回以降は通常営業に戻るべきとの結論に至りました。節電など一部の例外を除き、ふだん通りに行動することが最も復興の手助けになる、と。

  もともと興味を持っていたテーマなので、人の死や地震について取り上げ、不快に思われることがあるかもしれません。が、基本的にはいつものように、興味本位もしくは軽いノリでいくつもりです。

 そうした当方の考えやスタンスをご理解いただいた上で、今後とも当ブログにお付き合いいただければ幸いです。


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手放しません! [その他]

  やる気に体力がついてこず、どうしても更新が滞りがちになってしまいます。でも飽きたわけではありません。しばらくは雑感中心になりそうですが。

 年が明け、ようやく白内障の手術に踏み切りました。曇ったレンズを人工レンズに取り替えたのです。6日にまったく見えていなかった左目、そしてその1週間後にかろうじて見えていた右目。手術時間はそれぞれ20分程度。医学の進歩はすごいというか、今や点眼薬で麻酔でき、痛みはまったくなし。むしろ点滴の方が痛いくらい?でした。
         
 感染症を防ぐため、術後1週間は洗髪できないとのことで、1月いっぱい休みをもらいました。前に書いたように、モノが見えない以上に慢性疲労がつらく、この休みは非常に助かっています。
           
 術後の視力は裸眼で1.2。単焦点レンズで眼鏡は必要ですが、文庫本もしっかり読めます。
           
 視力が良いことが唯一の取り柄と自負していたため、手術直後はちょっとばかり落ち込みました。それに、ボーナスの大半が吹っ飛ぶほどお金をかけたにもかかわらず、視力が落ちることに、どうしても納得できないというか。痛みなしに手術できる技術があれば、レンズの曇りを取るくらい、わけないように思うのです。この病気、なぜいまだに原因が分からないのでしょう。
          
 でも、しばらく経った今は感動の方が上回っています。見えることがこんなにも大きな意味を持つなんて、思ってもみませんでした。何しろ2年近く見えない状態だったので。すっかり忘れていた嫁さんの顔。感想はやめておきます…。
        
  そして。

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 もう片方の相棒とも久々の再会。あらあら、バンパーやスポイラーのキズは予想以上に目立つし、シートもかなり劣化。まるで誰かさんみたい(笑。「持病」になってしまっているスターターのトラブル解消も含め、またまた出費がかさみそうです。
  
 エンジンをかけ、アクセルを踏み込んでみる。おお、ちゃんと走った。当たり前か。元気そうで何より。
  
 ま、いろいろ不具合はあれど、壊れたら直せばいいだけのこと。レンズを取り替えた自分のように。やはりこいつは手放せません。
            
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 おお!ほ、ほすぃ~。500万かあ。何とかして買えないものか…。
             
 いやいや、手放しませんよ(笑。

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ひさびさです [その他]

  さてー。

 ほんのちょっとだけ更新をお休みさせていただくつもりが、いつの間にか9カ月以上たってしまいました。

 当ブログをお読みいただいている方なら、ある程度はお分かりかと存じますが、私はアトピー性皮膚炎の患者です。しかも、症状の出方がかなり極端で。ふだんはアトピー患者と分からないくらい軽いのに、いったん「劇症モード」に突入するやいなや、見るも無残な姿になってしまうという、かなり特異なタイプなのです。

 そのアトピーが急に悪化したのが6年前。本当にある日突然という感じでした。シャワーを浴びると、なぜか飛び上がらんばかりに痛い。おかしいと思っていたら、1週間もしないうちに、みるみるうちに皮膚が萎縮し始め、全身にヒビが入るようになりました。ひどいときは皮膚の厚いおしりと足の裏を除き、1日に1度、全身の皮がむけ、キズだらけになる始末。むけるだけならまだしも、皮膚が薄くなっているので、むけた後は血がにじんだり、浸出液が出っぱなしになったりして、息絶え絶えの状態でした。

 おまけに、1日が終わると部屋中皮まみれになるわ、腕は上がらないわ、体温調節機能が壊れて真夏なのに凍えるように寒いわ、シャワーを浴びるのが怖いわ…と、ここでは書きつくせないほど、どえりゃー体験をしました。おかげで痛みをあまり感じなくてすんだほどでした(笑。

 結局、4カ月×2回、仕事を休み、自宅療養しました。今から振り返ると、これだけでは到底足りなかったのですが…大地震後のような、幾多の「余震」を乗り越えつつ、一歩一歩、改善しています。今は目がアトピー性白内障でかなり悪いのですが、肌はかなりよい状態です。

 ところが、です。

 肌の状態が悪いときからそうでしたが、ものすごく疲れる!どうやら、慢性疲労症候群(CFS)を併発してしまっているようなのです。

 この病気、アトピー並みか、それ以上にタチの悪い病気です。とにかく寝ても覚めても疲れる。そして脳機能が衰えているせいか、思考力も、判断力も、記憶力も、極度に低下するのです。さらに、うつ病のように感情の抑制が聞かなくなり、物事に対する意欲や興味がほとんどなくなってしまいます。周囲からは怠けていると思われることも多く、自分ですら不思議としかいいようのない症状が出ることも珍しくないので、偏見や孤独感、恥かしさ、悔しさに立ち向かう強い意志と勇気が必要です。

 アトピーと同じく、CFSの原因や治療法はよく分かっていません。しかも通常の検査では異常が出ません。原因にはウイルス説、遺伝子説など諸説あるようですが、私のようにアレルギーが関与するケースが少なくないようです。

 米国では難病として認知されているのに対し、日本ではあまり研究が進んでおらず、ほとんど知られていない状況。唯一の専門外来があった大阪市立大は、今年に入り閉鎖してしまいました(診療はしているようです)。東京にも受診できるところがわずかにあるようですが、私が電話したところはなんと半年待ち!
 
 私の場合、皮膚科やアレルギー科、胃腸科を含め、30カ所以上の病院を訪れました。が、何の役にも立たなかったのと、何時間も待たせる病院の対応の悪さに辟易したのと(患者が多いのでしょうがない面もあるでしょうが)、仕事が忙しく時間がとれないのと…そもそも疲れる病気なのに朝早く起きて病院に行き、午後すぎまで待つのは自殺行為なので、現在はどこにも通っておりません。平日は全力で何とか仕事をこなし、週末は寝たきり状態の繰り返し。会社の理解があるとはいえ、ハードな仕事なのによくもまあこんな生活続けてこられたもんだ。フ~。

 もしこの文章をお読みになった方がいらっしゃったら、おすすめの病院、役に立つ検査法などを教えてください(笑。

 どうも思考力が衰えているせいか、文章がまとまりません。

 要は、愛車の近況に触れておきたかっただけなんです(笑。

 ペットは飼い主に似るという言葉は車にもあてはまるようで、ここしばらくほとんど乗れていないにもかかわらず、故障に悩まされています。

 エンジンがかかりません(泣。寒冷地用のモーターに交換してもらったことはすでに触れましたが、症状が改善するどころか、悪化する一方。

 ショップの方いわく、「他のオーナーも大半は寒冷地用に交換していて、まったく問題ないですよ。取り付けたのがリビルト品なので、たまたま問題があったのでは」とのこと。一方、トヨタのディーラーやJAFの人からは、「モーター周り(の配線?)も寒冷地用に合わせないといけない」みたいなことをいわれました。原因が分からないので対処できず。困ったもんです。

 とりあえず、近く新品か別のリビルト品に交換する予定です。最低でも5万は覚悟しないといけないので、かなりツライっす。

 さらにボディー。目が悪く、自分ではほとんど乗れないため、ひとけのない駐車場まで友人に乗ってもらい、そこで車庫入れの真似事をしていたら、距離感がとれず、見事に前後バンパーをこすってしまいました。これも5万円コース。イテテ。

 ただでさえ高速1000円の恩恵をほとんど受けていないというのに、乗っていないのに出費がかさむとは…。

 山の神からは、「売るか、500万円出してもいいからもっと壊れなくて燃費のよい車に換えて!」とブーブーいわれています。「500万円」という言葉に一瞬、顔がにやけてしまいましたが、もちろんあっしにそんな大金はごさあせん(笑。

 ここ半年は病気で将来の生活すら覚束ないこともあり、手放そうかと何度も悩みました。CFSのおかげで売りに行くのがめんどくさく、何とか踏みとどまってますけど(笑。

 共働きで子供がいないとはいえ、ビル・ゲイツさんを見たことはあっても、彼にお金をもらったことのない私に多額の維持費は捻出できません(笑。山の神の言うように、最新のエコカーに買い換えたほうが家計への負担が少ないし、便利で楽チンなのもよ~く分かっております。

 でもやっぱし愛着があるんですよね。たとえ乗れなくとも、そばにソアラがあるだけで心が癒されるというか。

 先日、友人に運転してもらい、久々に遠出したときのこと。20代後半とおぼしき若者たちが通りかかり、「あ、これ昔のソアラだよ!スゲエきれ~。いいな~オレもいつか乗ってみて~」と話しながら去っていきました。そう、こういうすんばらしいセンスを持つ若者がいる限り、ソアラの魅力を後世に伝えなくては。ここで踏ん張らなくてどうする!

 というわけで、一寸先は闇ではありますが、もうしばらく粘ってみるつもりです。この長~い文章をお読みいただいたソアラオーナーの方は、当方とともにいつまでもオーナーでいてください。そしてオーナー以外の方は、ぜひ一度この車を所有してみてください。それが今の私の願いです。

 もちろん、同じ病気で苦しんでおられる方々が、快方に向かわれることも。

 あ、そうだ。30代後半のツブシのきかない男でも可能で、しかも楽な仕事があればぜひご紹介ください(笑。


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 [その他]

 いや、すごいニュースでした。トヨタ自動車のことです。

 当初は2兆円の営業利益を予想していたのが、金融危機を発端とする不景気と、加速する円高の影響で、1500億円の赤字予想。一気に2兆円以上の利益が吹っ飛んだのだから、世界同時不況の深刻さが分かります。

 新聞の経済面は人員カットのニュースばかり。しようがない部分があるとはいえ、こうもたて続けに派遣社員が解雇されたり、正社員の早期退職を募る動きが続くと、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉を思い出します。企業は社会に不可欠な存在で、暮らしていけるのも、新しい技術や製品を体験できるのも、企業のおかげではあります。ただ、「企業の集団心理」には、いささか違和感というか、怖さを感じてしまいます。

 こういう状況なので、私の周囲も暗い雰囲気。何かスカッとすることはないのか。そう思っていた矢先、田舎の母からうれしい知らせが届きました。兄のことです。

 ここ数年、兄はある工場に若者を派遣する仕事をしてきました。工場は、その地域では唯一といっていい大工場で、地元の若者にとって貴重な働き場所となってきました。

 しかしその工場も最近、派遣社員を一斉にカットしてしまいました。金融危機の前から不況だった業種で、10月に別の会社へ売却されたばかりの工場だったこともあり、追い討ちをかける不況に耐えられなかったようです。穏やかな土地柄もあってか、解雇は「つつがなく」行われ、「派遣斬り」が相次ぐ状況なので、さしたるニュースにもなりませんでした。

 多くの若者が職を失ったことを思うと、本当に胸が痛みます。私も働く気持ち自体がなかったとはいえ、長いあいだ失業状態にありましたし、地方に職がなくて困っていることもよく知っていますから。おそらく、彼らの多くはしばらく失業保険で食いつなぐか、東京や大阪へ出て新たな人生を歩むことになるでしょう。

 そんな状況なのに、不謹慎にも「うれしい知らせ」と書いたのは、彼らの失職に合わせて、兄が仕事を辞めたと聞いたからです。

 解雇通告を行うのは工場側の仕事ですが、実際に言い聞かせるのは管理者である兄の役目でした。兄にとって、派遣の若者たちは弟のような存在でしたから、仕事を続けられるはずもなく…責任者として、兄を慕ってくれた派遣会社の部下たちが制止するのを振り切り、辞職したのです。

 辞めたからといって、若者たちが職を失うのを止められるわけでもなく、仕事を続けることが悪いとも思いません。ましてや、もう40歳が近くに見えてきている年齢で、不景気の真っただ中だけに、自分が食っていくことすら覚束ない状況。それでも、自分なりの「美学」を貫いた兄を、私は誇りに思います。「やってくれた!」と拍手喝采する気持ちでいっぱいです。両親も同じ気持ちでいます。幸い仕事で苦労してきたせいか、気楽に構えている様子。安心しました。

 不況というのは、社会を暗くし、直接的に関係がなくても、人の心をすさませてしまうものです。私も上京してすぐの、バブルがはじけたころは、すさんだ生活を送っていました。それでも、こういう時こそ自分の美学を貫きたいと、今は兄と同様に思っています(残念ながら、その真逆を突っ走っていますが)。

 今回の不況で解雇された人たちには、ぜひとも新しい人生に向かって堂々と歩み出してほしいと思います。「自分が社会を変えてやる!」くらいの気持ちで。


タグ:派遣 不景気
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チラリズムの魅力 [その他]

 あけましておめでとうございます。今年も気力と体力の続く限り、マメな更新を心がけますので、よろしくお願いいたします。また、これからも長文が多いかと思いますが、何卒ご容赦ください。(長文の場合はブラウザの文字を「大」にしてください!)
     ◇ ◇ ◇ ◇

 今回のお題は「チラリズム」。「まだ3回目なのに、いきなりエロネタかよ」と思われるかもしれないが、そうではない。

 このチラリズムという言葉、もともと剣劇芝居で知られる女優の浅香光代さんが「生みの親」という事実をご存知だろうか。立ち回りの際に露になる太ももがエロティックだったことから、ある新聞記者が例えたのだ。言葉はすぐに広がり、1951年の流行語になった。肌を露出することがタブー視されていた当時の風潮を的確に反映していたことも、言葉を広めたのだろう。

 だが、「見えそうで見えない」ことに対して人が魅力を感じるのは、何も性に限らない(むしろ性のチラリズムは廃れる一方だ)。世の中には、いろんなチラリズムを追いかけている人々が存在する。

 その中に、「富士山ハンター」がいる。富士山ハンターとは、「できるだけ遠くから、あるいは難しい場所から富士山を見ることに血道を上げている人」、とでもいえばいいだろうか。

 富士山は、標高3776メートルで、周囲に高い山がない独立峰。このため、北は福島県から西は和歌山県まで、広範囲で視界にとらえられる。しかし、当然ながら、遠方であるほど雲や水蒸気に遮られてしまい、見られる確率は低い。富士山ハンターは、より遠くから富士山をとらえ、写真に収めることに、普通の人では考えられないほどの情熱を傾けている。遠方から見るとなると、おのずと高い山の上になってしまう。条件の良いのは、空気の澄んだ冬の早朝か、台風一過の晴れた日ぐらいしかなく、かなりの体力と根気が要る。撮影技術も必要だ。

 詳細はこのサイト(http://folomy.jp/fyamap/)を見ていただけるとありがたいが、主だったスポットには、和歌山県の妙法山(標高749メートル、富士山からの距離322・6キロ)、東京都の八丈島(東山、同701メートル、271キロ)などがある。

 最遠方は、妙法山の北西5キロにある小麦峠(900メートル)で、距離は322・9キロ。2001年に、2人のハンターの方が撮影した。海面から立ち上る水蒸気が視界を遮る八丈島からは、06年12月になって、ようやく撮影に成功している。島で最も遠い場所からの写真ではないが、同月大みそかの「読売新聞」都民版に掲載された。

 遠くから富士山を見るといっても、ひと昔前まではどこが最遠かすら、分かっていなかった。それが可能になったのは、DAN杉本さんが開発したソフト「カシミール」によるところが大きい。このソフトのおかげで、富士の見える範囲を地図上に示す「富士山可視マップ」ができ、どこから富士山が見えるか容易に把握できるようになった。

 ちなみに、カシミールには、ほかにもいろいろな楽しみ方がある。詳細はDAN杉本さんのサイト(http://www.kashmir3d.com/)を見てほしい。このサイト(http://www.geocities.jp/borg1701/kash.htm)もオススメだ。

 ともかく、主だった場所からの写真はだいぶそろいつつある。一方、分かっていないことがまだまだ多いみたい。というのも、地平線付近では大気のレンズ効果が働き、地平線下に隠れた山やビルでも見えることがあるからだ。

 それに、見えると判断されている場所でも、写真がない場所が少なくない。計算上の北限にあたる福島県の花塚山(標高918メートル、308キロ)は、その1つだ。

 特に管理人が知りたいのは、「富士山は京都から見えるのか?」。前出のサイトによると、京都府内にある「三国岳」の南西(913メートル、269キロ)から見えるようだ。地図で調べると、京都市北部に「三国岳」が2カ所あり、そのうち南東の「さんごくだけ」と呼ばれている方が、この山と思われる。

 自分はこの山を見たことも、登ったこともない。ここから近い大原あたりの景色から想像すると、京都市内といっても、かなり奥まった場所のようだ。参考までに、京都市役所に勤める友人に聞いてみると、京都から富士山が見えることは知らないという。かなり博識な彼がそう言うのだから、京都府民のほとんどは知らないのだろう。  

 理論上は見えても、実際は雲などでとても見えそうにない。でも古都から富士が見えるなんて、何とも夢のある話ではないか。京都在住の方は、ぜひトライしていただきたい。

 チラリズムといえば、もう1つ思いつくことがある。先日、所用で宮崎の田舎に帰省した際、長年の夢をかなえたいと思い、友人に無理を言って、県南端の都井岬へ連れて行ってもらった。

 都井岬は野生馬が生息していることで有名なのだが、目的は馬ではなく、星。全天の恒星のうち、太陽とおおいぬ座のシリウスに次いで明るい、りゅうこつ座のカノープスを見たかったのだ。

 カノープスは南緯51度40分にあり、日本からは低すぎてかなり見ずらい。北緯36度の東京では、南中時でも2度程度の高さ。北緯31度50分程度の宮崎市ですら、6度と少ししか昇らない。そこで、宮崎市内の実家からは南方面の空が明るく、見えないと判断。都井岬ならばと、友人に車を出してもらった。

 結果はというと、残念ながら見られなかった。それこそ降るような星空で、遠く種子島の光(と思われる)が見えるなど、条件は抜群だった。が、12月初めで、南中時間は午前1時。強烈に冷たい風が吹いていたこともあり、待ちきれなかったのだ。カノープスは、長寿星ともいわれる。友人と「長生きできたのに残念だったね」などと慰めあいつつ、宮崎市へ引き上げた。夜にもかかわらず、路傍で休む野生馬を見られたのは良かった。

 70キロほどの道のりを走り、12時ごろに宮崎市へ帰り着いた。すると、家の近くの農道を走っている最中のこと。繁華街方面の南の空に、はっきりと赤い星が見えるではないか。意外と高いところに2等星くらいの明るさで輝いていた。シリウスとの位置関係から、まぎれもなくカノープスと分かった。

 よくよく考えてみれば、この星は子供のころに何度も見た星と同じだ。カノープスが宮崎から見られることは知っていたとはいえ、見えにくいイメージがあまりに強すぎ、そんなに簡単に見えるとは思っていなかったのだ。取り越し苦労、ということになるが、長生きできる?と分かって、ほっとした。

 ちなみに、理論上は福島県が北限とされるカノープスは、例のレンズ効果も加わって、山形県の月山からも観測実績がある。はたしてこれが北限なのか。京都からの富士山観測とともに、トライしていただける方を待ちたい


タグ:富士山 京都
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